アニメ「ダイ・ガード」から学ぶ、セキュリティ対応 #00

みなさんは「ダイ・ガード」 というアニメをご存知でしょうか。

と、聞いておいて何ですが、国内ではDVDボックス化さえされていないようなアニメなので、知らなくて普通です。ご安心ください。

しかし、知る人は知る名作中の迷作ロボットアニメで、コアなファンはたぶんいまだにきっとたくさんいます(出会ったことはない)。

1999年に放送された当時、このアニメは社会(のごく一部)に対し強烈なインパクトを与えました。

まず、主人公が民間企業のサラリーマン。そして世界平和を守るためのはずのロボットがその民間企業の所有物。それゆえロボットの稼働には予算はもちろん会議の承認が必要な他、何か壊してしまえば始末書という、夢もへったくれもない大人の現実社会の上に成り立ったストーリー。

スーパーロボット系アニメにそんなリアルさは誰も求めていないと、きっと多くの人が感じていたことでしょう。

しかし、それが熱い。

「サラリーマンだって、平和を守れるんだ!」

次回予告内での主人公赤木駿介の決め台詞です(ちなみに主人公の性格はヒーローものにふさわしく熱血タイプ)。セキュリティの仕事に関わるようになって、このフレーズは自分のテーマになっています。 むしろ、このセリフに心震えないやつはセキュリティなんて今すぐやめた方がいい(言い過ぎ)。

そして、セキュリティに携わるようになってアニメのことを思い出したとき、非常に学ぶところが多そうだということに気がつきました。 このアニメはざっくり大雑把にまるっと都合よくかいつまんでおおよそで言ってしまえば、企業における「セキュリティ対応」そのものなのです。

本連載では、日本セキュリティオペレーション事業者協議会 (ISOG-J)で製作したセキュリティ対応組織の教科書」(以降、教科書)を参照しながら、アニメ「ダイ・ガード」の展開にそってセキュリティ対応について学んでいきます

ちなみに「ダイ・ガード」は、dアニメストアバンダイチャンネルで見ることができますので、ぜひぜひ。

それでは早速、アニメスタート時点の設定を確認しつつ、セキュリティ対応の観点で掘り下げていきましょう!

アニメ「ダイ・ガード」の設定

2018年(来年だ…)に起きたヘテロダインと呼ばれる謎の物体の襲来およびそれに伴う甚大な被害を「災害」ととらえ(ロボットアニメとしては斬新な設定だと思う)、その再発に備えてロボット「ダイ・ガード」を造り、民間の企業「21世紀警備保障」が2030年現在、管理を行なっているという設定になっています。ちなみに「管理」といっても12年間も何も起きていないため、ダイ・ガードは見世物としてお台場のガンダムのような扱いになっている状況から物語が始まります。

セキュリティ対応組織の存在意義

まずは、セオリー通り、企業「21世紀警備保障」におけるセキュリティ対応の目的を考えてみます。教科書2ページ目に従うと

  • インシデント発生の抑制
  • インシデント発生時の被害最小化

が大きな目的となりますが、このアニメの場合、インシデントとは「ヘテロダイン」そのものですので、

  • ヘテロダイン発生の抑止
  • ヘテロダイン発生時の被害最小化

と定義できます。というか、します。そういうことにしておいてください。

セキュリティ対応実行サイクル

しかしながら、2018年に起きた最初の被害の対策としてロボットであるダイ・ガードを建造、導入したものの、その後2030年に至るまで何も起きなかったことから、今となっては教科書3ページで言うところのセキュリティ対応実行サイクルは全くサイクルせず、「導入」後、宝の持ち腐れになっています。

セキュリティ対応実行サイクル

例えるなら、とりあえずSIEM導入してみたけど誰も活用できていないような状態です。

第一話ではそんな中「災害」の予兆として疑われる観測(検知)が報告されストーリーが急転していきます。しかし、その検知に対しても、「本当にあてになるのか?」とか「また誤報じゃないの?」とか、色々と物言いが…

と、今後の展開が気になるところで、そこそこの文量になってきましたので、一旦お開き。

次回、"アニメ「ダイ・ガード」から学ぶ、セキュリティ対応 #01“。

サラリーマンだって、平和を守れるんだ!